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2008-02-21

最近のドイツニュース

「久しぶりの大ニュースだね、こりゃ」とダンナがものすごく嬉しそうに言う。月曜だったかな?ドイツ郵便局のトップが、リヒテンシュタインの銀行にひそかにお金を預けていたのがばれたらしい。あらあら・・・。


ドイツはヨーロッパの中でもとても税金が高い国。お金のある人はその節税対策が大変らしい。多くの有名人なんかは、住まいをどこかの外国に移している。F1のシューマッハ(兄貴の方)は税金対策でスイスに住んでいる、と聞いたことがある。移住しなくても、簡単に節税できる方法がある。それは、外国の銀行にお金を預けること。ドイツだったらルクセンブルグ、オーストリア、スイスなどお隣さんにドライブに行って、そのついでにお金を銀行に預ける。どの国もどいつよりもはるかに税金が安いらしい。そういったプチお金持ちを国境付近で取り締まるドキュメントをテレビで見たことがある。目的は、お金の出入りだけじゃなく、不法な滞在、麻薬、タバコ、酒類等なんだけどね。「ルクセンブルクへのドライブに5000ユーロがポッケに入ってた」とかだと、ちょっと厳しい追及があるかもしれない。お金持ちそうな車なんかを選んでたな、おまわりさんたら。

「『銀行は口が堅い』はずなのに、何で今回はばれてしまったの?」とダンナに聞いたら、ドイツのシークレットサービスが、ある男からリヒテンシュタインの銀行に預けているドイツ人のデータ1000人分を買い取ったとのこと。なんでも、このデータは不正に入手されたものらしく、「ドイツはそんなものに金を払うんだったら、その金で複雑な税制をなんとかしろよ」と、偶然、訪独中のリヒテンシュタインの高官から言われたとか。

「リヒテンシュタインから見たら、違法なお金じゃないしね。外国人の預金を禁止してるわけじゃないし、リヒテンシュタインの商売の一つだからね」とダンナ。リヒテンシュタインという小さな国は、何が有名かといえば、やっすい税金と記念切手ぐらい?しかも今回の事件で「リヒテンシュタインは商売上がったり」状態。ハッキングなのかなんなのか、外部からの侵入が容易なセキュリティーの甘さを世界に知られてしまったし。
リヒテンシュタインとしては不正に入手されたデータをドイツが買い取ったことにもかなり怒っている。「そんなデータを買ったことが何で明るみに出たの?ドイツにとってはあまりいいことじゃないはずなのにね」とダンナに聞いたら、ドイツ政府が公表したらしい。
ダンナが言うには、「1000人分のデータといっても、とりあえず今公表されているのは、ドイツ郵便局のトップの人ぐらい。リヒテンシュタインに隠し財産を持っている人はもっと多いはず。預けている人は、『もしかしたら自分の名前がリストにあるかも・・・・』と、不安になって動き出すかもしれない。そういう動向を見ていれば、簡単に逮捕できるかもしれないし、税務署に「自己申告」する人が大勢現れるかもしれない。自首すれば、追徴金だけで、逮捕はされないからね。結構な金を払ったけど、その分以上を取り戻せると、ふんだんじゃないかね」

「いやーそれにしても、リヒテンシュタインは面目丸つぶれだね。俺だったら、リヒテンシュタインにはもう預けないね」と、まぁ、預けるもんないけどね。ダンナがいろいろと解説してくれるので、一緒にニュースを見るのは楽しい。テレビではこの話で連日もちきりだろうな。ダンナは新たな展開に期待してそう。

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